FXのポジションとは、何かの通貨ペアを『買っている』または『売っている』状態のことです。
FXで利益を出すためには、まず最初にポジションを保有する必要があります。
例えば、米ドル/円が1ドル110円の時に買いの新規注文をすることで、ロングポジションを保有している状態になります。
Contents
FXのポジションとは
FXでの【ポジション】とは外貨の持ち高のことを言います。
【持ち高】とは何かというと、外貨を買ったり売ったりして保有している状態のこと。
FXで取引できる米ドル/円等の外貨を買っている状態を『ポジションを持っている』ということになります。
ポイント
- 買いポジションは「ロング」
- 売りポジションは「ショート」
ポジションは決済するまで保有している状態が続き、ポジションを増やしたり減らしたりして利益を出していくことができます。
ポジションの呼び方・呼ばれ方
FXのポジションは『買い』で入ることも『売り』で入ることもでき、どちらの状態でポジションを保有しているかどうかで呼び方が変わります。
外貨の価値が上がると思ったら買いでポジションを保有します。
買う
- 買いポジション
- ロングポジション
- 買い玉(かいぎょく)
- 買い建(かいだて)
外貨の価値が下がると思ったら売りでポジションを保有します。
売る
- 売りポジション
- 空売りポジション
- ショートポジション
- 売り玉(うりぎょく)
- 売り建(うりだて)
よく使われている呼び方は『ロングポジション』『ショートポジション』で、それぞれを略して『ロング』『ショート』と呼ばれることが多いです。
さらに略して『L(える)』『S(えす)』と呼ぶことも。
『ポジションを保有する』という言葉も様々な使われ方をしており、『ロングでポジる』や『ショートポジ保有』等と言われていることもあります。
ちなみに、ポジションを保有していない状態のことを『ノーポジション(ノーポジ)』『スクエア』と呼ばれています。
新たにポジションを持つことを『ポジションメイク』だったり『ポジションを建てる』と言います。
ロングポジションの持ち方
FXの通貨ペアを買うことをロングポジションと呼び、買った通貨ペアを売らずに持ち続けている状態です。
ロングポジションを保有した時よりも価値が上昇した時に売れば、買った時点から売った時点での差額で利益を得ることができます。
ポイント
ロングポジションは「安く買って高く売る」戦略
保有した時よりも価値が下落した時に売ると差額分の損失が確定します。
ショートポジションの持ち方
FXの通貨ペアを売ることをショートポジションと呼び、売った通貨ペアを買い戻さずに持ち続けている状態です。
ショートポジションを保有した時よりも価値が上昇した時に買い戻せば、空売った時点から買い戻した時点での差額で利益を得ることができます。
ポイント
ショートポジションは「高く空売って安く買い戻す」戦略
保有した時よりも価値が上昇した時に買い戻すと差額分の損失が確定します。
保有ポジションをコントロールする方法
保有しているポジションは、以下の3つの方法でトレーダー自身がコントロールできます。
ポイント
- ポジションを利益確定する
- ポジションを持ち続ける
- ポジションを損切りする
FXトレードは、大儲けを狙って勝負をしかけるよりも、大きな損失を出さないように慎重に取り組むことが重要になります。
損失は最小限に抑えて利益を獲得していけるように、上手に保有ポジションをコントロールしましょう。
ポジションを利益確定する
ポジションを保有している状態から為替差益を得るためには、含み益ポジションを利益確定する必要があります。
利益が出ている場合でも損失が出ている場合でも、ポジションを手放す行為のことを『決済する』と言います。
ポイント
含み益ポジションを決済すると利益が確定する
外貨を買ってポジションを保有した後に買った外貨の価値が下がると『含み損』が発生し、買った外貨の価値が上がると『含み益』が発生します。
ポジションを保有している状態では含み損または含み益が発生しており、決済をしない限りは利益や損失は確定しません。
ポジションを持ち続ける
外貨を買ったり売ったりしてポジションを保有した後に、相場が予想と反対方向に動くと含み損が発生します。
含み損が発生しているポジションは決済しない限りは損失が確定しませんし、含み益ポジションも決済しない限り利益が確定しません。
ポイント
ポジションを持ち続けている限り利益を損失も確定しない(強制ロスカットは除く)
できるだけ損失を確定させたくないために含み損は決済せずにそのまま放置したままにしがちです。
しかしながら、明確な意図がない限り為替が想定の逆方向に動いた場合はポジションを『損切り』して次のトレードに挑みましょう。
ポジションを損切りする
FXの【損切り(ロスカット)】とは、保有しているポジションを手放して損失を確定させることです。
価値が上がると信じて買った外貨の価値が下がると含み損が発生しますが、含み損が発生していてもポジションを決済しない限りは損失は確定しません。
しかしながら、含み損が増えすぎると強制的に損切(強制ロスカット)されて口座残高が0円以下になってしまう危険性があります。
強制的な損切りで全ての口座資金を失ってしまう前に避けるため、損失被害が大きくならないうちに手動でポジションを損切りしてしまうのも手段の一つ。
FXはポジションの保有期間に制限は無いので、利益が出るまで損切りせずに塩漬け状態にしてほったらかしておくこともできます。
ポジションを持ったまま放置は危険
外貨を買ったり売ったりして保有しているポジションに保有期間はありません。
ですので、保有しているポジションが含み益になるまで持ち続けることができます。
長期的にポジションを保有する手法として、スワップ益を狙ったトレードというものがあります。
保有期間はありませんが、明確な理由が無い限りは損失がでているポジションは損切ってしまったほうが時間・資金効率面で有利という考えもあります。
ほったらかしにしていればいつか利益が出るタイミングが来るという理由から、ポジションを手放さず長期保有しておけば「損失が出ない」と考えることもできます。
しかしながら、長期保有のスタンスでもない限りポジションをもったまま放置するのは非常に危険です。
ポジションの保有期間はいつまで?
株の信用取引や商品先物などで取引した経験のある方は、FXポジションの保有期間がいつまでなのか疑問に思うかもしれません。
株の保有期間
株の信用取引(制度信用取引)は最大6ヶ月, 商品先物は最大1年
FXポジションには保有期間の定めは無く、自身が決済注文を出すまで持ち続けることができます。
FXの保有期間
FXポジションは保有期間なし
証拠金維持率が100%を下回ってしまうと強制ロスカットで保有することができなくなってしまいますが、基本的には保有期間の定めはありません。
FXのポジション持ち越しはNG?
FXのトレードで日をまたいでポジションを持ち越しても大丈夫なのか?と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。
前途したように、為替ポジションはロングポジションであれショートポジションであれ持ち越しすること自体は可能です。
ポイント
- 証券会社の機能的には持ち越しOK
- トレードスタイルによっては持ち越しNG
数日の期間を軸にするスイングトレードであれば持ち越すことに神経質にならなくてもいいですし、短期決戦のデイトレードの場合は日をまたいでポジションを持つと窓開けで大きく損をしてしまうリスクがあります。
FX口座を開設するならどこがいい?
FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。
FX口座の開設目的 | おすすめの会社の特徴 |
短期取引 | スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社 |
長期取引 | スワップポイントが高い会社 |
物色売買 | 通貨ペア数の多い会社 |
情報収集 | 情報量が多い会社、チャートが見やすい会社 |
自動売買 | 自動売買可能な会社 |
少額取引 | 取引通貨単位が1,000通貨以下の会社 |
自身の目的を達成できそうな優位性の高い会社を選ぶようにするようにしましょう。
FX投資のやり方やいくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXトレードは最悪無くなっても生活に支障が出ない余剰資金で行いましょう。
ポジション解説まとめ
- ポジションとは、外貨を買ったり売ったりして保有している状態のこと
- ポジションは買いでも売りでも保有することができる
- ポジションを保有していない状態を『ノーポジ』または『スクエア』と呼ぶ
- ポジションを手放す行為を『決済』と呼ぶ
- ポジションを手放さずに保有し続けることを『塩漬け』と呼ぶ
- ポジションが含み損を抱えている状態であえて手放す行為を『損切り』と呼ぶ
- ポジションの保有期間に制限は無い
FXは専門用語が多いですが、実は完璧に分かっていなくてもトレードをして利益を出すことができます。
安い時に買って高い時に売れば利益が出ますし、高い時に売って安い時に買っても利益が出ます。
本屋に売られているFXの本を全て読んで完璧に理解したつもりでも損失を出してしまうこともあるので、まずはなんとなく程度に用語を覚えていきましょう。