投資には様々な種類がありますが、少ない元手資金で比較的簡単に始めることができる投資としてFX(Foreign eXchange=外国為替)が有名です。
FXは借金を抱えるリスクが低い投資だと言われていますが、間違った取引方法を継続していると破産する確率が高まります。
FXは元手以上の資金で取引できるため、リターンが大きくなる反面負けた時のリスクも大きくなります。
Contents
FXで強制ロスカットされる仕組み
日本のFX会社では、証拠金維持率が100%を切ってしまうと強制ロスカット(強制的に保有しているポジションが全て決済される)されます。
FX会社のロスカットシステムはユーザーの元手資金以上の損失を防ぐ制度ですが、急激な相場の変動や暴落が起こると預けた保証金以上の損失が出る場合もあります。
強制ロスカット
相場の動き方次第では残高がマイナスになってしまう可能性もある
レバレッジを使用できるFXは大きな金額を稼げる反面、高レバレッジをかけると負けたときの損失も大きくなります。
FXが難しすぎる理由
FXトレードの継続が難しいと言われている5つの理由は以下の通りです。
注意
- 本を読んでも勝てないから
- 常に利益を出そうとするから
- 未来を予想することはできないから
- 精神面が安定しないから
- 相談相手がいないから
FXの基礎知識を身につけることなくトレードを始めて大損を出してしまう人が後を絶ちません。
学校の勉強にしろスポーツにしろ、勉強をすれば普通は上達していくものですが、FXに関してはそれに当てはまらないことを実感します。
FXで破産する確率は低い
FXは証拠金を担保にして元手以上の取引ができるレバレッジの使用が可能です。
ポイント
レバレッジとは、少ない資金で大きな金額を動かすことができる証拠金倍率
しかしながら、やみくもなギャンブル取引をしない限りFXで破産する確率は低いと言われています。
口座の証拠金維持率が100%以下になってしまうと、保有している全てのポジションが強制的に決済されてしまいます。
FXは危険で稼げないという評判が目に付くと思いますが、大きな利益を求めなければ損失リスクは軽減します。
FXによる借金は原己破産できない?
FXや株取引による借金は免責不許可事由に該当するため、原則は自己破産できないようになっています。
破産法では次の免責不許可事由を定めています。
浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
引用元:破産法252条第1項4号
FXはギャンブルではないという考えもあるため、短期間で著しく財産を減少させたかどうかに焦点が当たると思われます。
バルサラの破産確率表とは
【バルサラの破産確率】とは、数学者のナウザー・バルサラが考案した、勝率・損益率・リスクになる資金比率を元に破産する確率を求める計算方法です。
必要なもの
- 勝率
- 損益率
- 損失リスク資金比率
FXは元手以上の資金で取引できるため、リターンが大きくなる反面負けた時のリスクも大きくなります。
自分のFX取引履歴を元に今後破産する確率を出すことが可能です。
勝率の計算方法
勝率(%)は、自分がいままでの取引でどれくらい勝っているかが分かる数値となります。
ポイント
勝率(%)=勝トレード数÷総合トレード数×100
たとえば、10回取引をして8回利益を出している場合の勝率は80%です。
損益率の計算方法
損益率(倍)は、勝った時の利益額と負けた時の損失額のバランスを数値化したものです。
ポイント
- 合計利益額÷勝トレード回数=平均利益額
- 合計損失額÷負トレード回数=平均損失額
- 損益率(倍)=トレードの平均利益額÷トレードの平均損失額
たとえば、平均利益額が4,000円で平均損失額が5,000円だった場合の損益率は0.8倍になります。
損失リスク資金比率の計算方法
損失リスク資金比率(%)は、1回のトレードで口座資金の何%損失を許容するのかを表すものです。
ポイント
損失リスク資金比率(%)=1トレードの許容損失額÷口座資金×100
たとえば、口座資金が100万円で1回のトレード許容損失額2万円だった場合のリスク資金比率は2%です。
バルサラ破産確率表の見方
以下のグラフは、リスクにさらす資金比率が2%の時の【バルサラ破産確率表】です。
リスク許容度はトレーダーによって様々ですが、FXプロトレーダーはリスクにさらす資金比率を2%以下に抑えています。
上記の表はリスクにさらす資金比率を2%以下に抑えることが前提となっています。
リスクにさらす資金比率が3%以上になっている方は、自分のトレード内容を改善させるところからスタートしましょう。
バルサラ破産確率表を当てはめてみよう
たとえば【勝率80%・損益率0.8倍・損失リスク資金比率2%】である場合の破産確率は0%になります。
バルサラの破産確率表に自身の数値を当てはめて、破産する確率が1%未満の場合は安全性が高い取引ができています。
破産確率0%は、もう少しリスクを取って利益を狙うのもアリだということです。
バルサラの破産確率計算機
リスクにさらす資金比率が3%以上の場合でも、バルサラの破産確率も求めることができます。
数値を変えて検証したい場合は、インベストメント・テック・ハックさんのバルサラの破産確率計算機を使わせてもらいましょう。
破産確率はあくまでも目安ですが、投資初心者のうちからリスクを限定する癖をつけることが非常に重要です。
FXで負けが続いている場合や、バルサラの破産確率表で破産する確率がある場合は、損失を出してしまっている原因を追究しましょう。
FX口座を開設するならどこがいい?
FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。
FX口座の開設目的 | おすすめの会社の特徴 |
短期取引 | スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社 |
長期取引 | スワップポイントが高い会社 |
物色売買 | 通貨ペア数の多い会社 |
情報収集 | 情報量が多い会社、チャートが見やすい会社 |
自動売買 | 自動売買可能な会社 |
少額取引 | 取引通貨単位が1,000通貨以下の会社 |
自身の目的を達成できそうな優位性の高い会社を選ぶようにするようにしましょう。
FX投資のやり方や、どのFX会社の口座を使っているのか、元手いくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXは生活に支障が出ない余剰資金で行いましょう。
FX口座開設の審査基準とは
FX口座開設の審査基準は基本的に非公開になっています。
しかしながら、最低限満たしておかないと審査に通過できない一般的な基準はネット等で調べれば色々出てきます。
それらの全体的な審査通過基準をまとめてみましたので参考にしてください。
ポイント
- 年齢(20歳以上80歳未満であること)
- 自身の名義で申請していること
- 嘘を書かないこと
- 申請内容と本人確認書類を一致させること
- ある程度の金融資産を保有していること
- 安定した収入源があること
- 年収と投資可能額のバランスを整えること
- 日本に住んでいること
- 身内に証券会社等の関係者がいないこと
上記の基準を満たしていない場合は、FXの口座開設基準に落ちる可能性が高くなります。
それぞれのFX会社によって特徴的な審査基準がある場合もありますが、まずは上記の基準は最低限満たしておきたいところです。
FX口座開設でよくある失敗例
FXの口座開設自体は手順通り進めていくだけなので簡単にできます。
しかしながら、本人情報や振替口座登録で入力ミスをしてしまうと、口座開設ができなかったり開設に時間がかかってしまうなど不利益が生じてしまいます。
FX口座開設でよくある失敗例は以下の通りです。
注意
- 入力した個人情報が本人確認書類と一致しない
- 住民票に登録してある住所と異なる
- メールアドレスや電話番号に誤りがある
私の失敗談としては、過去の郵便番号を入力してしまって口座開設できなかったことがあります…
このようなミスが起こらないよう、入力時にはダブルチェックをしてスムーズに口座開設できるようにしましょう。
リスク許容度を把握する重要性
このページでは、バルサラの破産確率について解説をしてきました。
特に投資初心者の方は、自身がどれくらいのリスクが許容範囲なのかを知ることが重要です。
日本FX会社には強制ロスカットシステムが備わっており、破産する確率が低い構造となっていますが、ギャンブルのような取引を繰り返していると、いずれは大きな損失を出してしまいます。
FXで破産する確率はバルサラの破産確率表を使用すると簡単に把握できるので、破産してしまう前に対策することが大切です。