これからFXを始める人は、スプレッドの意味や注意点などをしっかりと押さえておきたいところです。
スプレッドは全ての会社で同じではなく、FX会社ごとに設定されている値は違います。
しっかりと意味を理解していなくてもFXトレードをすることは可能ですが、知らない間に損をしていることになるかもしれないので、基礎知識だけは頭に入れておきましょう。
Contents
FXのスプレッドとは
FXのスプレッドとは実質的な手数料(コスト)です。
FX会社の口座開設広告で『取引手数料無料!』みたいなうたい文句を見たことがあるかもしれませんが、スプレッドが実質的な手数料になっています。
FX証券会社によってスプレッド値が安かったり高かったりしますが、どのFX会社を利用する場合でもスプレッドコストは必要。
取引する通貨ペアによってもスプレッド値に違いがあります。
スプレッドは、『高い・安い』とは別に『狭い・広い』や『大きい・小さい』とも表現されますが、意味としては同じです。
スプレッドの表記方法は『銭』『pips』
スプレッドは『銭』であったり『pips』という単位で表記されています。
日本でのFXトレードは、主に円を売って外貨を買う取引になっており、日本で一番有名な通貨ペアとしては『米ドル/円』です。
ポイント
国内FX会社での米ドル/円のスプレッドは0.3銭前後が主流
『銭』で表記されている理由としては、日本でのFXトレードは主に外貨/円での取引になっているためです。
円を絡めない外貨/外貨の通貨ペアをトレードする場合は、銭単位では分かりにくくなってしまうので、その場合の単位として『pips』が用いられています。
スプレッドとpips(ピップス)の違い
FXで使われているpips(ピップス)とは、通貨ペアの値幅を表す共通単位です。
FXでは単位の違う様々な通貨を取引するため、単位を統一すべくpipsが使われています。
1pipsは各通貨の最小単位を表すので、たとえば日本円の場合は1銭=1pips(0.01円=1pips)になります。
ポイント
- 1円=100銭(100pips)
- 0.1円=10銭(10pips)
- 0.01円=1銭(1pips)
- 0.001円=0.1銭(0.1pips)
異なる通貨でも変動を容易に比較できるようにするためにpipsが使われている模様。
FXのスプレッド計算方法
FXトレードをするうえでよく目にすることになる『pips』単位も整理しておきましょう。
1pipsの価格
- 日本:0.01円
- 米ドル:0.0001ドル
- ポンド:0.0001ポンド
- 豪ドル:0.0001豪ドル
ここでは仮に、米ドル/円でFXトレードをするとして話を進めていきます。
米ドル/円は『業界最狭水準0.3銭』的な広告がよく出ているように、どこのFX会社でも基本的には一番スプレッドが安い(狭い)通貨ペアです。
スプレッドの計算方法
- 1ドル=100円の時に米ドル/円を1ドル分買う
- スプレッド0.3銭差し引かれる
- 100円で買った米ドル/円の価値は99.997円になる
0.3銭ということはつまり0.003円なので、米ドル/円が1ドル100円の時に100円分だけ米ドルに交換した場合は99.997円の価値になるという計算。
FX会社の最低取引数量は1,000通貨
FX会社の最低取引数量は主に1,000通貨~になっているので、米ドル/円を買うのには1,000ドル分買う必要があります。
スプレッドの計算方法
- 1ドル100円の時に1,000ドル分買う
- 1,000ドル=100,000円
- スプレッド0.3銭の場合だと1,000倍で3円なので
- 99,997円の価値がある米ドル/円ポジションになる
慣れないうちはよく分からないかもしれませんが、FXトレードを続けていると自然と頭に入ってくるようになります。
結論としては、スプレッドは安い(狭い)ほうが良いということになりますが、スプレッドを安くする以外のサービスを展開しているFX会社もあるので一概には言えません。
スプレッドは変動する
スプレッドは原則固定になっているFX会社が多数です。
それぞれの通貨ペアによってそれぞれのスプレッドが設定されており、その数値は原則的には固定である場合が多くなっています。
とはいえ、あくまでも『原則』固定なので時間帯や時期によって変動します。
FX会社によってそれぞれの通貨ペアに設定されているスプレッドが違いますが、できるかぎりコストを抑えたいのであればスプレッドが全体的に狭いFX会社を選定するのも手段の一つ。
個別通貨ペアのスプレッドが狭いFX会社もあれば、全体的にスプレッドが広いFX会社もあります。
スプレッドコストを安くすること以外に力を注いでいるFX会社もあるので、スプレッドが狭ければ良いとは一概に言えません。
FXのスプレッドが広がる要因・時間帯
3大市場(米国市場・欧州市場・東京市場)が閉まっていて流動性が低い時間帯はスプレッドが広がりやすくなります。
注意
日本時間の早朝や重要指標が発表されるタイミングはスプレッドが広がりやすい
売りたい人や買いたい人が少ない時期や時間帯は、FX相場の急変動が起こる可能性が高まります。
流動性が高い米国の雇用統計や政策金利などの発表前後も、相場が急激に変動しやすくスプレッドが広がる傾向がある模様。
その他にも、各国の大統領や中央銀行総裁などの要人発言にも注意が必要です。
日本時間の早朝や重要な指標が発表されるタイミングは、スプレッドが広がるので取引は慎重に行いましょう。
通貨ペアによってスプレッドは異なる
FXのスプレッドはそれぞれの通貨ペアによって異なります。
一般的には、取引量の多い通貨ペアほどスプレッドが安くなる傾向がありますが、各FX会社が力を入れている通貨ペアは比較的安く設定されています。
ポイント
スプレッドが安い通貨ペアは『米ドル/円』または『ユーロ/米ドル』
取引コストは最小限に抑えたい方は、米ドル/円かユーロ/米ドルから始めてみると良いかもしれません。
海外FXはスプレッドが広い
海外FX業者は国内FX業者と比べてスプレッドが広めに設定されています。
海外FXでスプレッドが広くなるのは、NDD方式と呼ばれる取引方式を採用しているからだと言われています。
ポイント
NDD方式とは、投資家の注文がFX業者の窓口ではなく、直接インターバンク市場に流れる取引方式のこと
リアルタイムで為替レートが反映されるため、海外FXのスプレッドは広めで変動する特徴があります。
FXの勉強には意味がある
テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析など、様々な知識をつけても安定して利益を出せないことに気づきます。
しかしながら、FXの知識が全く無い状態でトレードをしても、ほぼ間違いなく負けて退場してしまいます。
ポイント
- FXは勉強しても勝てない
- FXの勉強自体には意味がある
FXは勉強すればするほど負けるというのが現実ですが、FXで勝てるようになるために勉強は必要です。
ある程度の基礎知識を身につけた上で、実際に損益が発生する相場を直で感じながら学んでいくことが大事です。
基礎知識の勉強は必要不可欠
FXは専門用語を覚えなくても、パソコンやスマホの操作さえできれば取引できてしまいます。
近年はスマホアプリで簡単にトレードができてしまうため、なんとなくFXに手を出して大損してしまう人が後を絶ちません。
FXは勉強すればするほど負けると言われていますが基礎知識の勉強は必要不可欠です。
FXの投資技術を磨いてくれるのは実践とはいえ、基礎知識の勉強には意味があります。
不要な知識は消すべき
テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を勉強して、どれだけ勉強しても勝てないことを体験してから不要な知識を消していくべきです。
人間の心理としては、損失をゼロに抑えたいという欲求が勝ってしまいがちですが、損失との向き合い方を考えることが投資で上手くいくコツ。
ポイント
FXは基礎知識を身につければ勝てる
人間は得をすること以上に損をすることを恐れる傾向があり、損失を確定させることを先延ばしにしてしまいがち。
利益が出る喜びよりも損失が出る苦しみの方が大きくなるのは、プロスペクト理論が無意識に働いているからだと言われています。
少額から始めてみる
FXのトレード技術を上達させるためには実践あるのみです。
FXがどのようなものかを経験したいのであれば、そこまで大きなお金は必要ありません。
ポイント
FX初心者は1日1,000円稼ぐことを目標にする
人間は自分のお金が動いていないと本気になれないところがあるので、最悪無くなっていいと割り切れる金額でトレードをするべきです。
負けると当然お金が減ってしまいますが、少額から始めることでダメージを最小限に抑えましょう。
FX口座を開設するならどこがいい?
FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。
FX口座の開設目的 | おすすめの会社の特徴 |
短期取引 | スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社 |
長期取引 | スワップポイントが高い会社 |
物色売買 | 通貨ペア数の多い会社 |
情報収集 | 情報量が多い会社、チャートが見やすい会社 |
自動売買 | 自動売買可能な会社 |
少額取引 | 取引通貨単位が1,000通貨以下の会社 |
自身の目的を達成できそうな優位性の高い会社を選ぶようにするようにしましょう。
FX投資のやり方やいくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXトレードは最悪無くなっても生活に支障が出ない余剰資金で行いましょう。
FX口座開設でよくある失敗例
FXの口座開設自体は手順通り進めていくだけなので簡単にできます。
しかしながら、本人情報や振替口座登録で入力ミスをしてしまうと、口座開設ができなかったり開設に時間がかかってしまうなど不利益が生じてしまいます。
FX口座開設でよくある失敗例は以下の通りです。
注意
- 入力した個人情報が本人確認書類と一致しない
- 住民票に登録してある住所と異なる
- メールアドレスや電話番号に誤りがある
私の失敗談としては、過去の郵便番号を入力してしまって口座開設できなかったことがあります…
このようなミスが起こらないよう、入力時にはダブルチェックをしてスムーズに口座開設できるようにしましょう。
スプレッドはFXトレードの実質的な手数料
どのFX会社を選んでも、基本的には米ドル/円が一番スプレッドが安くなっています。
できるだけスプレッドコストを減らしたいのであれば、トレードする通貨ペアは米ドル/円が最適解。
スプレッドがややこしくてよく分からなくてもトレード自体に困ることはないので、取引コストが気になるようになってから計算してみましょう。
スプレッドが極力抑えられている通貨ペアを選んでトレードすれば余計なコストが一番抑えられます。