FXで大きな急騰や急落に巻き込まれて、強制ロスカットされた経験がある人も多いのではないでしょうか?
そのような経験をしないためには、証拠金維持率の安全目安を正しく理解しなければなりません。
取引を開始する前にロスカットシミュレーションをしておくことで、FX初心者であってもロスカットにより大きな損失を被るリスクが大幅に低下します。
Contents
豪ドル/NZドルの運用戦略
私が考える豪ドル/NZドルの運用戦略は以下のように仕掛けていきます。
運用プラン
- 運用資金を30万円以上用意する
- 1.10NZドルより上値タイミングはショートを仕込む
- 1.10NZドルより下値タイミングはロングを仕込む
- 過去最高値または過去最安値まで耐えられる設定を組む
- 証拠金維持率300%以上をキープする
2000年以降の値動きの特徴は、1.20NZドルを中央値として1.00~1.40NZドルの間をウロウロしていることが分かります。
そのようなことから1.20NZドルを中央値としてラインを引きます。
中央値より上値にショートポジションを一定の間隔で仕込み、中央値より下値にはロングポジションを一定の間隔で仕込みます。
しかしながら、長期チャートを見ると1.20NZドルを上回っている期間は短いことから、あえて1.20NZドルを上限にして注文範囲を狭くする戦略が効果的。
上値も下値も大きく振れないと考えるのであれば、1.09~1.10をラッキーゾーンに指定してロングとショートを両方建てるもの良いかもしれません。
マイナススワップを極力避けたい場合は、プラススワップが発生する方向だけのポジションを保有するのも手段の一つです。
運用戦略の詳細ルール
上記の運用プランでの豪ドル/NZドルの詳細ルールは以下の通りです。
詳細ルール
- 通貨ペア:豪ドル/NZドル(買い)
- レンジ幅:1.00~1.10NZドル
- 取引値幅:50pips(0.005NZドル)
- 取引本数:21本
- 取引数量:各0.1万通貨
詳細ルール
- 通貨ペア:豪ドル/NZドル(空売り)
- レンジ幅:1.10~1.20NZドル
- 取引値幅:100pips(0.01NZドル)
- 取引本数:11本
- 取引数量:各0.1万通貨
保有ポジションが増えれば増えるほど強制ロスカットのリスクが高まるため、証拠金維持率を気にしながら資金管理をしなくてはいけません。
狼狽売りを避けるためにも少額で取引をすることをオススメします。
証拠金維持率300~500%くらいをキープして、短期的に急激な相場変動に備えましょう。
豪ドル/NZドルの強制ロスカットシミュレーション
資金30万円で上記の運用プランを回した場合の強制ロスカットシミュレーション結果は以下の通りです。
注意
- ロングポジション :0.92NZドルで強制ロスカット
- ショートポジション:1.40NZドルで強制ロスカット
運用資金30万円あれば、上記の運用プランで取引をしても過去最高値または過去最安値付近までは耐えることができます。
もし30万円以上の資金を投資に回せるのであれば、取引値幅を狭めたりポジション数を増やしたりして利益の最大化を図るのも手段の一つです。
含み損が膨れ上がってから怖がるのではなく、事前にどれくらいの含み損が発生するのかを見積もっておくだけでも精神的ダメージを軽減できます。
資金効率を高める方法
強制ロスカットラインを正確に計算できるように、1つのFX口座につき1つの通貨ペアで回すべきです。
1つのFX口座に複数の通貨ペアを保有すると、強制ロスカットラインの計算が複雑になり資金管理の難易度が上がってしまいます。
しかしながら、それぞれの通貨ペアの相関関係を把握すれば1つのFX口座につき2つの通貨ペアで回すことは可能です。
通貨ペアの相関・逆相関は、取引を有利に進めるためには重要な知識です。
取引レンジ範囲を外れた時はどうする?
今後の値動きを予想することはできないため、取引レンジ範囲から外れるタイミングもあると思います。
想定している取引レンジから外れた時の対応は以下の3通りです。
想定レンジを外れた場
- 損切りして戦略を練り直す
- 資金を追加して注文を出す
- 想定レンジに戻るまで待つ
一旦損切りを断行して戦略を練り直すのが一般的には推奨されている対処法です。
FX口座に資金を追加入金できる場合は、保有ポジションはそのままにして新たに注文を出すのも手段です。
最初に自動売買を稼働させる時点で、ポジション保有値幅を広めにして余裕をもった取引を継続できるようにしましょう。
FXの強制ロスカットとは
強制ロスカットはFXトレーダーの資産を守るための保護機能です。
FX口座の証拠金維持率がロスカット水準(50~100%)に達した時に、トレード中の保有ポジションが全て強制決済されます。
注意
証拠金維持率が100%を下回ると決済注文が自動発動する危険性が高まる
含み損を抱え込みすぎることが強制ロスカットの原因になるので、トレードを開始する前に損切りと利確のタイミングを決めておかなくてはいけません。
証拠金維持率の安全目安
証拠金維持率とレバレッジには以下のような関連性があります。
証拠金維持率 | レバレッジ・特徴 |
---|---|
2,500% | 1倍 |
1,250% | 2倍 |
500% | 5倍 |
250% | 10倍 |
100% | 25倍 |
含み損や保有ポジションが増えてレバレッジが上がるほど、証拠金維持率は下がる関係にあります。
少ない資金で多くのポジションを持ちすぎると、FX会社に強制ロスカットされて口座残高が0円以下になる危険性が高まるので注意が必要です。
強制ロスカット前の予告機能
マージンコールとは、口座の証拠金維持率が低くなるとFX会社がロスカットを事前予告してくれる機能です。
各FX会社はマージンコール判定基準を設定しているようで、ユーザーの証拠金維持率が判定基準に到達すると、メールなどでロスカットを予告するアラートが送られてきます。
【国内業者マージンコール判定基準一覧表】
FX会社 | マージコール判定基準 |
外為オンライン | マージンコールなし |
DMM FX | 証拠金維持率100%を下回ったとき |
外貨ex byGMO | 証拠金維持率100%を下回ったとき |
GMOクリック証券 | 証拠金維持率100%を下回ったとき |
トレイダーズ証券 | 証拠金維持率110%を下回ったとき |
インヴァスト証券 | 証拠金維持率75%を下回ったとき |
外為どっとコム | 証拠金維持率200%を下回ったとき |
ヒロセ通商 | 証拠金維持率200%を下回ったとき |
FXプライムbyGMO | マージンコールなし |
マネーパートナーズ | 証拠金維持率100%を下回ったとき |
SBI FXトレード | マージンコールなし |
マージンコールがくることがないように資金管理を徹底するようにしましょう。
強制ロスカットは投資家保護機能
強制ロスカットが執行される理由は、投資家(FXトレーダー)保護の意味合いがあります。
相場が急変したのちにそのままポジションを保有し続けた場合、さらに大きな損失を計上してしまう可能性があるからです。
注意
FX口座の証拠金維持率が100%以下になった場合にロスカットが執行される
口座資金に対して損失の金額が一定以上大きくなることがないよう、自動ロスカットという形で強制終了されるような仕組みになっています。
FX口座を開設するならどこがいい?
FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。
FX口座の開設目的 | おすすめの会社の特徴 |
短期取引 | スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社 |
長期取引 | スワップポイントが高い会社 |
物色売買 | 通貨ペア数の多い会社 |
情報収集 | 情報量が多い会社、チャートが見やすい会社 |
自動売買 | 自動売買可能な会社 |
少額取引 | 取引通貨単位が1,000通貨以下の会社 |
自身の目的を達成できそうな優位性の高い会社を選ぶようにするようにしましょう。
FX投資のやり方や、元手いくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXは生活に支障が出ないお金や最悪無くなってもよいと思えるお金で行いましょう。
海外FX口座はおすすめできない
少ない元手資金で大きな利益を出すこと求めるのであれば、国内FX業者よりも海外FX業者を利用したほうが断然有利です。
仮にFX口座以上の損失が出てしまった場合でも、トレーダーはマイナス分(口座残高0円以下分)を負担しなくても良いという『ゼロカット』という方式を取り入れています。
しかしながら、海外FX業者を利用してトレードをするのはオススメできません。
オススメできない理由は、日本の金融庁が日本国内で海外FX口座を利用しないよう注意しているからです。
引用元:金融庁
海外FX業者を利用することは違法ではありませんが、無難に国内FX業者を利用しておきましょう。
FX口座選びのポイント
FX初心者のためのトレード口座の選び方は以下の通りです。
ポイント
- FX会社の信頼性
- 少額トレードができる
- 取引コストの低さ
- 取引画面の使いやすさ
- 取引通貨ペア数の多さ
- 自動売買ツールの有無
- カスタマーサポートの充実度
日本の大手FX会社であれば、上記の7つを満たしているところが多いです。
投資成績が伸びないことをFX会社のせいにしてはいけないという前提のうえで、自分にとって相性の良いFX口座を選びましょう。
豪ドル/NZドルのロスカット回避水準まとめ
豪ドル/NZドルの資金30万円運用プランは以下の通りです。
運用プラン
- 運用資金を30万円以上用意する
- 1.10NZドルより上値タイミングはショートを仕込む
- 1.10NZドルより下値タイミングはロングを仕込む
- 過去最高値または過去最安値まで耐えられる設定を組む
- 証拠金維持率300%以上をキープする
上記の運用プランでの詳細ルールは以下の通りです。
詳細ルール
- 通貨ペア:豪ドル/NZドル(買い)
- レンジ幅:1.00~1.10NZドル
- 取引値幅:50pips
- 取引本数:21本
- 取引数量:各0.1万通貨
詳細ルール
- 通貨ペア:豪ドル/NZドル(空売り)
- レンジ幅:1.10~1.20NZドル
- 取引値幅:100pips
- 取引本数:11本
- 取引数量:各0.1万通貨
資金30万円で上記の運用プランを回した場合の強制ロスカットシミュレーション結果は以下の通りです。
注意
- ロングポジション :0.92NZドルで強制ロスカット
- ショートポジション:1.40NZドルで強制ロスカット
保有ポジションが強制ロスカットされてしまうと、FX口座の資金を全額失う可能性があります。
運に任せたギャンブルトレードにならないように事前に戦略を練り、大きな損失を出さないようにしなくてはいけません。
ロットを上げすぎたりポジションを持ちすぎたりすると、少し価格が逆行しただけで証拠金維持率が著しく低下するので、狼狽売りを避けるためにも少額で取引をすることをオススメします。