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新興国通貨の暴落原因と投資ポイント
南アフリカランド/円を含む新興国通貨は、突発的な上昇や下落を起こす通貨です。
2016年新年の急落や2018年8月トルコショックの影響などで、『ランド/円死亡』と呼ばれた出来事があります。
私は、2019年9月から運用していた南アフリカランド円を2020年春のコロナショック時に、約100万円の損切りして運用を中止した過去があります。
今回は南アフリカランド/円が『死亡』と言われた原因、新興国通貨の特徴や投資のコツや今後の見通しなどを紹介します。
南アフリカランド/円のロングポジションを損切り
私がランド円の運用を中止した理由は、強制ロスカットを避けるためと南アフリカの政策金利が下がり続けてスワップの旨みが無くなったためです。
- ランド円の暴落が止まらない
- スワポが下がってきて旨み減少
今後ランド円が徐々に回復していく可能性はありますが、長期的に見ると新興国通貨は値が下がり続けている傾向にあります。
2010~2020年の長期的に見ても10円近く下落しており、今後上昇に転じたとしても8.0円あたりが限界だと判断できるので、高値で買うとそれこそ永遠に利確できない可能性も出てきます。
2010年頃の半分以下の価値
新興国通貨は、政治的・経済的基盤が弱く、関連国の影響を受けやすい傾向があります。
2010年頃に14.0円付近で買っていたら価値が半分以下になっていたところですし、当時はそれでも安いと感じて買ってのではないかと思われます。
永遠に利確できないポジションを保有してしまうと、損切りの危険性も常に残り続けます。高金利通貨なのでスワップが貰えるという点はせめてもの救いかもしれませんが、そんなスワップポイントも徐々に減ってきているという始末…
今後8円以上にまで回復しても、長期的には0円を目指していく形であるという現実は見過ごすわけにはいきません。
私を含め、2016年に底を打ったと思い運用を開始した人もいるかと思いますが、どうやらまだまだ今後も下がっていきそうですね。
高金利通貨のスワップポイントが下落
新型コロナウイルスの影響で各国の政策金利が急激に下がりました。
政策金利が下がると証券会社で付与されるスワップポイントも減るため、ポジションを保有しておく旨みが無くなりリスクだけが残ります。
私は【ヒロセ通商LION FX】でランド円を運用していたのですが、1万通貨あたり1日15円付与されていたスワップポイントが1日10円以下に減少しました。
他の証券会社でもスワップは軒並み減少しています。
リスクオフの円買い
よく新聞やニュースで『リスクオフの円高』『リスク回避の動きで円が買われている』と報道される通り、経済的に世界(日本も含む)で何か良くないことが起こると円が買われます。
クロス円が下落すると、ロング(買い)で仕込んでいたポジションは含み損を抱えることになります。
強制ロスカットを避けるためのリスク分散で、色々なクロス円通貨を広範囲に少額で買っておこう的なブログ記事をよく見かけますが、被害が拡大するだけなのでやめておきましょう。
含み損が100~1,000万円以上ある状態で月に20万円稼げていても、一時的に証券会社からお金を預からせてもらっているだけに過ぎません。
新興国通貨運用は危険
投資家がリスクを回避しようとする場合、新興国や高金利といったワードが連想される資産には売りが入るので急落に注意する必要があります。
新興国通貨は互いに影響を及すため、地政学的リスクが生じると投資家たちが一斉にリスク回避の動きを見せます。
世界で何か起こると『円』や『米ドル』が買われるので、長期投資でのクロス円のロング取引は損切りするまで永遠に持ち続けなくてはいけなくなる塩漬けポジションになるだけです。
空売り(ショート)戦略は初心者や中級者が手を出すと大やけどします。
強制ロスカットは回避しなくてはいけない
少し値を戻したあたりで損切りをして手仕舞ってしまえば、すべての口座資金を失ってしまう最悪の事態は回避できます。
スワップの旨みが減った状態で資産を塩漬けておくのは機会損失でしかないので、むしろロスカット額が少額で助かったと割り切りましょう。
ダメ絶対
強制ロスカットされてしまうと追証の危険性があるので絶対に避けなければいけない
FX会社に預けている証拠金が相場の急変動等で不足してしまった場合、FX会社側から追加入金を求められます。
残高がマイナスになってしまうと損失が発生したマイナス残高分を請求されることになり、返済期日までに請求分を支払うことができなかった場合は、法的措置を取られ財産を差し押さえられる可能性も…
新興国通貨投資のコツ・ポイント
自身の損切りルールを徹底して守り、追証が発生するほどの無理なトレードはやめておきましょう。
新興国通貨の投資ポイント
- 資金管理の徹底
- ファンダメンタルズ分析
- 実効レバレッジの抑制
新興国通貨はメジャー通貨以上にファンダメンタルズの影響が強いため、高いボラティリティに巻き込まれて大損しないように経済ニュースをチェックしなくてはいけません。
ランド円相場はアメリカとの関係・中国経済・原油価格に影響されやすい傾向です。
しかし、経済ニュースをくまなくチェックしていても急落に巻き込まれる可能性は大いにあります。
急激な下落にも耐えられるように、資金に余裕を持たせ1~3倍の実効レバレッジで取引をするのが理想的です。
おすすめFX会社
FXスワップポイント投資をする際は、スワップポイント付与額が高く設定されている【ヒロセ通商】がオススメです!
FX自動売買投資をする際は、細かいところまで設定が可能な【インヴァスト証券】がオススメです!
FX裁量トレードをする際は、スプレッドが狭く設定されている【トレイダーズ証券】がオススメです!
オススメFX口座
- スワップ狙い:ヒロセ通商
- 自動売買取引:インヴァスト証券
- 取引コスト小:トレイダーズ証券
FX投資のやり方やいくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXトレードは最悪無くなっても生活に支障が出ない余剰資金で行いましょう。
ランド/円死亡と言われる原因
- 2016年のチャイナショックの影響で年始から売りが強まり、参加者が少ない月曜朝の時間帯で急落したため
- 2018年8月のトルコショックの影響でトルコリラ/円だけではなく新興国通貨が巻き込まれて下落したため
- 2020年3月のコロナショックの影響で急激なリスクオフの円買いが発生したため
- 2021年12月のオミクロンショック(南アフリカ発症)の影響でランド円下落
メジャー通貨ペアも取引をしてリスク分散させることを意識したいところですが、よっぽどの投資上級者でない限り上手くいきません。
最悪無くなっても良いと思える余裕資金で投資をするようにしましょう。