FXのスキャルピングとは、FXの代表的な取引方法の一つです。
数秒から数分という短時間の取引を何度も繰り返すことで、小さな利益をコツコツ積み上げる取引手法。
スキャルピング手法は短時間で取引判断が求められるため初心者にとっては少しだけ難易度が高めです。
しかしながら、他の取引手法よりも利益を出すチャンスが多い特徴があります。
Contents
FXのスキャルピングとは
FXのスキャルピングとは、一日に何度も取引を繰り返して利益を積み上げていく投資方法です。
短期間でトレードを完結させるため、1回あたりの利益額や損失額は小さくなることが特徴的。
ポイント
ポジションを保有してから決済までの時間が数秒から数分で売買を繰り返していく超短期トレード
FXのスキャルピング手法は数秒から数分で取引が終わるため、がっつりチャートを見る時間が取れない人でもスキマ時間で取引可能です。
スキャルピング禁止のFX業者
実際には、スキャルピング手法を明示的に禁止しているFX業者はありません。
スキャルピングを実質的に禁止しているFX業者は以下の2社です。
注意
- DMMFX
- SBI FXトレード
DMM FXでは、店頭外国為替証拠金取引(DMM FX)約款の7章禁止行為(9)で、短時間で注文を繰り返す行為が禁止されています。
SBI FXトレードでは、外国為替証拠金取引の契約締結前交付書面に、スキャルピングをするとシステムに悪影響が及ぼすという記述がされています。
以上の2社では、スキャルピングを実質的に制限しているので超短期売買は避けたほうが良いでしょう。
FXのスリッページの意味とは
FXのスリッページとは、注文価格通りに注文されていない事象のことです。
FXトレードでは、注文発注時に提示されていたレートと実際に約定したレートとの間にずれが生じることがあります。
注意
デイトレードやスキャルピングのようにトレード回数が多い手法では不利に働く
トレーダーが利用しているインターネットプロバイダや自宅などのネット環境によっては、FX会社のサーバーに注文内容が到達する間に遅延が発生します。
それぞれの証券会社におけるシステムの性能には強弱があり、性能が弱いシステムを使っているFX会社はタイムラグが発生しやすくなります。
スキャルピングで勝てる5つのコツ
スキャルピングで勝てるコツや考え方は以下の5つです。
ポイント
- 3つのテクニカル分析を使う
- ボラティリティの高い通貨ペアで取引する
- トレンドが発生しやすい時間に取引する
- スプレッドが最小のFX口座を利用する
- ロスカットラインを守る
スキャルピングのトレードがスムーズに行うために押さえておきましょう。
3つのテクニカル分析を使う
スキャルピングトレードの手法は投資家によって様々なものがあります。
その中でも以下の3つのテクニカル分析を組み合わせることが適切だと言われています。
ポイント
- トレンドライン(サポート・レジスタンス)
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
サポートラインは相場がジグザグに上昇中に「これ以上は下がらない」と思われる目安になります。
レジスタンスラインは相場がジグザグに下降中に「これ以上は上がらない」と思われる目安になります。
移動平均線は上向きに伸びていれば上昇トレンドで、下向きに伸びていれば下降トレンドだと判断できます。
ボリンジャーバンドは今後の価格変動範囲を予測することに役立つ指標で、大きく広がっていく状態では強いトレンドになると予想できます。
ボラティリティが高い通貨ペアで取引する
スキャルピングはボラティリティの高い通貨ペアでトレードすることで、利益を出すチャンスが広がります。
ボラティリティとは一般的に価格変動の度合いを示す言葉で、相場が大きく動いている時は「ボラティリティが高い」という表現をします。
ポイント
英ポンドを含む通貨ペアはボラティリティが高い
人によって性格も違えば好みも異なるため、自分に適した通貨ペアを知ることが長期的にスキャルピングで稼げるようになるコツです。
トレンドが発生しやすい時間に取引する
FXは24時間取引可能ですが相場が活発に動く時間帯は限定的です。
短期取引は値動きが小さい時間帯に効率よく利益を出すことは難しいため、値動きが活発になりやすい時間帯を狙う必要があります。
ポイント
ロンドン時間(16時~26時)とニューヨーク時間(21時~早朝6時)が狙い目
ほとんど値動きがない時間帯にトレードをするのは効率より利益を出すことができないため、時間帯の選択も重要になってきます。
スプレッドが小さいFX口座を利用する
スキャルピングトレードは取引回数が多くなる手法であるため、できるだけスプレッドが小さいFX会社を利用することが望ましいとされています。
スプレッドとは、トレーダーがFX取引をする際の買値と売値の差で実質的な取引コストです。
ポイント
国内のFX会社であれば基本的にどこでもOK
たとえば、米ドル円でスキャルピングをするのであればスプレッドが0.3pips以下のFX口座を使いましょう。
ロスカットラインを守る
経済指標や要人発言の発表時はテクニカル分析だけでは予測しにくい値動きをします。
ポイント
スキャルピング手法とロスカット設定はセット
スキャルピングは値が戻ってくるまで待つトレード手法ではないため、ロスカット設定は必須になります。
注文を出す前にロスカットラインを決めておくことで、相場の急変動に対応できるようにしておきましょう。
FXの利確で使う注文方法3つ
FXの利確で使う注文方法は以下の3つが挙げられます。
ポイント
- 成行注文で利確
- 指値注文で利確
- 逆指値注文で利確
利益確定のタイミングに関しては永遠のテーマだと言われており、人それぞれ考え方があるので非常に難しいです。
エントリーポイントは探せるようになり損切りもできるようになってきても、利益確定が上手くできないことで悩む人は多いです。
成行注文で利確
成行注文とは、なりゆきに任せる形の注文方法になっており、レートを指定せずに自身が買いたい(売りたい)タイミングで注文をする方法です。
現在の為替レートから『上がると思ったら買い』で入り、『下がると思ったら売り』で注文をすることが可能。
ポイント
- 現在の米ドル円が1ドル110円だとする
- 現在値で買う
- 110円以上になったら含み益になる
- 110円以下になったら含み損になる
- 好きなタイミングで決済する
FX取引は『買い』からでも『売り』からでもポジションを保有することができます。
指値注文で利確
指値注文とは、自身の希望売買価格をあらかじめ指定しておく注文方法です。
ポイント
- 現在の米ドル円が1ドル110円だとする
- 109円に下がったら買って110円になったら決済するように指値注文を出す
- 109円になったら新規注文成立
- 110円になったら決済成立
FX相場は上昇または下降トレンドがしばらくの間継続する傾向があります。
指値注文のコツとしては、自身が想定するより深い位置で新規・決済注文を指定することです。
逆指値注文で利確
逆指値注文とは、現在のレートよりも高いレートで買ったり、現在のレートよりも低いレートで売る注文方法です。
ポイント
- 現在の米ドル円が1ドル110円だとする
- 111円に下がったら買って112円になったら決済するように逆指値注文を出す
- 111円になったら新規注文成立
- 112円になったら決済成立
逆指値注文はストップ注文や損切注文とも呼ばれており、FX初心者は必ず設定しておきたい注文です。
為替相場が自身が予想した反対方向に動いた時に、損失を最小限に抑えることができるストッパー的な役割を持った注文方法と言えます。
FX口座を開設するならどこがいい?
FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。
FX口座の開設目的 | おすすめの会社の特徴 |
短期取引 | スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社 |
長期取引 | スワップポイントが高い会社 |
物色売買 | 通貨ペア数の多い会社 |
情報収集 | 情報量が多い会社、チャートが見やすい会社 |
自動売買 | 自動売買可能な会社 |
少額取引 | 取引通貨単位が1,000通貨以下の会社 |
自身の目的を達成できそうな優位性の高い会社を選ぶようにするようにしましょう。
FX投資のやり方や、どのFX会社の口座を使っているのか、元手いくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXは生活に支障が出ない余剰資金で行いましょう。
海外FX口座はおすすめできない
少ない元手資金で大きな利益を出すこと求めるのであれば、国内FX業者よりも海外FX業者を利用したほうが断然有利です。
仮にFX口座以上の損失が出てしまった場合でも、トレーダーはマイナス分(口座残高0円以下分)を負担しなくても良いという『ゼロカット』という方式を取り入れています。
しかしながら、海外FX業者を利用してトレードをするのはオススメできません。
オススメできない理由は、日本の金融庁が日本国内で海外FX口座を利用しないよう注意しているからです。
引用元:金融庁
海外FX業者を利用することは違法ではありませんが、無難に国内FX業者を利用しておきましょう。
FXのスキャルピング取引の注意点
FX会社の中には、FXのスキャルピングが実質的に禁止されているケースがあります。
スキャルピングを実質的に禁止しているFX口座で、短時間での注文を繰り返し行う行為をしてはいけません。
最悪の場合、口座が一旦凍結されてしまう恐れがあります。
トレーダーが短時間で注文を繰り返すとサーバーに負担がかかったり、カバー取引が間に合わないというケースもあります。
それを防止するためにFX会社は安全策として口座を凍結している模様。
短時間での注文を繰り返し行う行為を禁止しているFX会社では、スキャルピング手法をしないようにしましょう。