テクニカル分析は為替チャートを利用することで分かりやすい分析ができるため、特に個人投資家に人気がある分析方法です。
しかしながら、一生懸命テクニカル分析を勉強しても勝てるようにならない、という人は結構多いのではないでしょうか。
条件が満たされれば100%想定通りの値動きをするとは限らないのが事実です。
Contents
FXのテクニカル分析とは
FXのテクニカル分析とは、過去の相場の値動きから未来の値動きを予測する分析方法です。
為替相場は過去の値動きと未来の値動きが全く同じになることはありませんが、似たような値動きのパターンが当てはまる時があります。
ポイント
移動平均線やボリンジャーバンドなどのテクニカル指標を使って分析する
過去の値動きと似たようなパターンを探して、未来の値動きの参考にするのがテクニカル分析の基本です。
ファンダメンタルズ分析との違い
FXにおけるファンダメンタル分析とは、世界経済に関する情報や各国の経済指標や各国の政治動向などで、為替相場の中長期的な値動きを予測する分析手法です。
日々発表される経済指標や要人発言などの情報収集が、ファンダメンタルズ分析を行う上で極めて重要になります。
ポイント
- 経済指標
- 金融政策
- 要人発言
- 地政学リスク
景気や経済との関連が強い情報ほど為替レートへの影響が大きくなります。
FXで有効なテクニカル分析の種類3つ
FXで使われているテクニカル分析の種類は以下の3つです。
ポイント
- トレンド系テクニカル指標
- オシレーター系テクニカル指標
- ライン系テクニカル指標
テクニカル分析は、チャートから過去の値動きを読み取り、未来のトレンドや値動きを予測するものです。
取引経験を積んで上手く使いこなせれば、思ったような利益を出せるようになるかもしれません。
トレンド系テクニカル指標
トレンド系テクニカル指標は、同じ方向の値動きが続く際に威力を発揮する指標です。
ポイント
- 移動平均線:一定期間の価格を平均で結んだ線の指標
- 一目均衡表:転換線・基準線・先行スパン1・先行スパン2・遅行線を使った指標
- MACD:買われすぎ売られすぎをシグナルラインで判断する指標
トレンドを形成している相場時に、一時的にチャートが逆行したタイミングかどうかを判断するのに有効的です。
チャート分析で得られた結論とは異なる方向に値が動いてしまうこともあるので注意しましょう。
オシレーター系テクニカル指標
オシレーター系テクニカル指標は、相場の反転を見極めるのに優れている指標です。
ポイント
- ストキャスティクス:一定期間の変動幅と終値から相場の強さを測る指標
- RSI:買われすぎ売られすぎを指数化した指標
- サイコロジカルライン:投資家の心理を数値化した指標
相場が買われすぎているのか売られすぎているのかを分析することに優れています。
そのような特徴から、相場の転換点を予測して大きな利益を得ることも可能です。
ライン系テクニカル指標
ライン系テクニカル指標は、反発やブレイクなどの相場の反応ポイントを探るのに効果的な指標です。
ポイント
- サポート・レジスタンスライン:安値または高値のラインを売買目安する指標
- トレンドライン:トレンド形成中の上下ラインを売買目安にする指標
- フィボナッチライン:イタリアの数学者フィボナッチの数式をもとにした指標
チャートが線によって区切られるため、相場がどのように推移していくのかを予測しやすい特徴があります。
相場を見てラインを引くだけなので初心者でも活用可能な分析方法です。
FXのテクニカル分析に意味はない理由3つ
FXのテクニカル分析は意味がないと言われている理由は以下の3つです。
注意
- ランダムウォーク理論の存在
- 分析方法が多すぎる
- 分析結果が後付け
テクニカル分析もファンダメンタルズ分析も無意味な理論であり、両者ともオカルトにすぎないという意見もあります。
テクニカル分析をマスターしても勝てるようになれないと感じている人も多いようです。
ランダムウォーク理論の存在
ランダムウォーク理論とは、株価の値動きは常にランダムであるため上昇も下降も同様の可能性で発生するという理論です。
1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ氏が発表したもので、「過去の値動きからは将来の値動きや方向性を予測することは不可能」という考え方です。
注意
投資の専門家と猿の運用成績はそこまで変わらないという理論
投資のプロでも相場の値動きを完璧に予測することは困難であるため、専門家でも素人でも勝てる時もあれば負ける時もあります。
過去のトレンドやデータによって将来の値動きを予測できるのであれば、テクニカルを勉強さえすれば誰でも億り人になれてしまいます。
分析方法が多すぎる
テクニカル分析に使われる指標は種類が多すぎるため、1つの指標で勝てなければ次々に指標を変えて聖杯を探しがちです。
なかなかFX取引で勝てないがゆえに、テクニカル分析の知識だけ蓄積してしまうトレーダーも多いです。
注意
ノウハウコレクターならぬテクニカルコレクターになりがち
FXで100%勝てる手法はこの世に存在しないため、聖杯探しをしている人を狙っている悪徳業者もいるので気をつけなくてはいけません。
分析結果が後付け
FXトレードで利益を出せている人がテクニカル分析を公開していると、テクニカル分析を理解すれば勝てるものだと勘違いしがちです。
しかしながら、FXトレードで利益を出した人がテクニカル分析で過去の値動きを説明しているだけです。
注意
歴史は勝者によって作られている
テクニカル分析ができるようになればFXトレードで勝てるわけではありません。
FXのテクニカル分析のメリットや使い方3つ
FXのテクニカル分析のメリットや使い方は以下の3つです。
ポイント
- 相場のトレンドが分かる
- エントリータイミングを決められる
- 損切りルールを決められる
テクニカル分析を使うことで、多くの市場参加者達が意識していると思われるポイントが分かるようになります。
分析通りに値が動かないパターンも多いですが、為替市場で取引をしている人達の集団心理を把握できるかもしれません。
相場のトレンドが分かる
FXのテクニカル分析を使うメリットは、相場のトレンドを把握することができる点です。
ポイント
これまでの値動きの特徴やトレンドを把握できる
過去の値動きが今後を継続する場合はテクニカル分析は有効になります。
未来の値動きを完全に把握することはできませんが、過去の値動きを把握することは重要です。
エントリータイミングを決められる
FXのテクニカル分析を使うメリットは、エントリータイミングを決めることができる点です。
ポイント
利益が出せそうなエントリータイミングを把握できる
FXは確率のゲームであるため、チャートパターンやインジケーターを駆使しても100%勝てる手法やロジックはありません。
テクニカル分析通りにエントリーすれば負けないわけではありませんが、何の根拠もなくエントリーするよりは勝てる可能性が高まります。
損切りルールを決められる
FXのテクニカル分析を使うメリットは、自身の損切りルールを決めることができる点です。
ポイント
何の根拠もなく含み損ポジションを持ち続ける状態を防げる
たとえば、移動平均線を下回ったら損切りするというようなルールを設定しておくことで、冷静な判断でポジションを手放せます。
事前に損切りラインさえ決めておけば、大きな損失を出すことなく最小限に抑えられる可能性が高まります。
FX口座を開設するならどこがいい?
FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。
FX口座の開設目的 | おすすめの会社の特徴 |
短期取引 | スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社 |
長期取引 | スワップポイントが高い会社 |
物色売買 | 通貨ペア数の多い会社 |
情報収集 | 情報量が多い会社、チャートが見やすい会社 |
自動売買 | 自動売買可能な会社 |
少額取引 | 取引通貨単位が1,000通貨以下の会社 |
自身の目的を達成できそうな優位性の高い会社を選ぶようにするようにしましょう。
FX投資のやり方や、どのFX会社の口座を使っているのか、元手いくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXは生活に支障が出ないお金や最悪無くなってもよいと思えるお金で行いましょう。
正しい基礎知識を学ぶ
FXは勉強をしても自分が想定していた通りの結果を得ることは難しいですが、正しい基礎知識を学ぶための勉強は必須です。
ポイント
専門用語・注文方法・分析手法・チャートの見方などの基礎知識は必須
基礎知識を身につけずにトレードを始めてしまうと、誤操作によるミスで想定外の大損失を出してしまうこともありえます。
テクニカル分析を極めても勝てないかもしれませんが、FXに関する知識はしっかりと身につけましょう。
結論:テクニカル分析は意味がある
FXのテクニカル分析は意味がないと言われている理由は以下の3つです。
注意
- ランダムウォーク理論の存在
- 分析方法が多すぎる
- 分析結果が後付け
FXのテクニカル分析のメリットや使い方は以下の3つです。
ポイント
- 相場のトレンドが分かる
- エントリータイミングを決められる
- 損切りルールを決められる
「過去の値動きからは将来の値動きや方向性を予測することは不可能」という考え方もあり、テクニカル分析をマスターしても投資成績が良くなるとは限りません。
少しでもギャンブル性を下げるために、チャートを分析して相場の状況を分析してみましょう。