投資の教科書

【FXトレード手法】通貨ペアごとの相関・逆相関関係と選び方を解説

FXの通貨ペアには相関関係があるって本当?

 

FXの各通貨ペアには相関関係があり、似たようなチャート値動きをする通貨ペアがあることに気づいた方もいるのではないでしょうか。

 

同じように価格が推移する通貨ペアもあれば、反対方向に価格が推移する通貨ペアもあります。

 

FXトレードでは数十種類を超える通貨ペアから取引をすることができますが、ひとつの通貨ペアが完全に孤立して値動きを形成しているわけではありません。

 

管理人
それぞれの通貨ペアが相互に影響を及ぼし合いながら為替チャートを形成しています

 

FX通貨ペアの相関関係とは

 

相関関係とは、ある一方の変化がもう一方に影響を与える関係にあることを言います。

 

相関関係

  • 正の相関:互いが同じ方向に変化する関係
  • 負の相関:互いが逆の方向に変化する関係

 

正の相関関係がある通貨ペアは同じ値動きをする傾向があり、負の相関関係がある通貨ペアは逆の値動きになりやすい傾向があります。

 

正の相関関係を順相関・負の相関関係を逆相関と呼ばれています。

 

順相関関係がある通貨ペア

順相関関係がある主なFX通貨ペアは以下の通りです。

 

正の相関関係

  • 米ドル/円⇔カナダドル/円
  • 豪ドル/円⇔NZドル/円
  • ポンド/円⇔ユーロ/円
  • ユーロ/円⇔ズロチ/円
  • 南アフリカランド/円⇔メキシコペソ/円
  • ユーロ/米ドル⇔ポンド/米ドル
  • 豪ドル/米ドル⇔NZドル/米ドル
  • ユ-ロ/ポンド⇔ユーロ/豪ドル

 

順相関関係が強い通貨ペアは同じ方向にチャートが動きやすい傾向があります。

 

通貨ペアの相関・逆相関は、取引を有利に進めるためには重要な知識です。

 

逆相関関係がある通貨ペア

逆相関関係がある主なFX通貨ペアは以下の通りです。

 

負の相関関係

  • 米ドル/円⇔ユーロ/米ドル
  • 豪ドル/円⇔ポンド/豪ドル
  • ポンド/円⇔ユーロ/ポンド
  • ユーロ円⇔ユーロ/豪ドル
  • 南アフリカランド/円⇔米ドル/カナダドル
  • ユーロ/米ドル⇔米ドル/フラン
  • 豪ドル/米ドル⇔ユーロ/豪ドル
  • ユーロ/ポンド⇔ポンド/米ドル

 

逆相関関係が強い通貨ペアは反対方向にチャートが動きやすい傾向があります。

 

相関関係がある通貨ペアの選び方

 

-になればなるほど負の相関で逆相関になり、+になればなるほど相関関係が強いということになります。

 

表にすると以下のようになります。

相関係数 分類
+0.75 ~ +1 強い相関性
+0.5 ~ +0.75 中度の相関性
+0.2 ~ +0.5 弱い相関性
-0.2 ~ +0.2 無相関
-0.5~-0.2 弱い逆相関
-0.5 ~ -0.75 中度の逆相関
-0.75 ~ -1 強度の逆相関

 

必ずしも相関係数通りに値が動くわけではありませんが、長期目線にすればするほど特徴を捉えていると思います。

 

相関係数とは

相関係数とは、1に近いほど正の相関関係があり、-1に近いほど負の相関関係があり、0に近いほど相関が無いことを示す数値です。(-1から1の範囲)

 

相関係数

  • 正の相関関係:数字が1に近い
  • 負の相関関係:数字が-1に近い

 

通貨ペアごとの相関係数が1に近いほど同じような値動きをして、通貨ペアごとの相関係数が-1に近いほど真逆の値動きをする傾向があります。

 

たとえば、豪ドル/円とNZドル/円の相関係数はおおよそ0.9くらいになっており、かなり同じような値動きをする通貨ペアです。

 

クロス円の相関関係一覧表

米ドル/円とクロス円の相関関係一覧表は以下の通りです。

 

▼相関関係一覧表▼

通貨ペア USD
JPY
EUR
JPY
GBP
JPY
AUD
JPY
CAD
JPY
NZD
JPY
CHF
JPY
ZAR
JPY
CNH
JPY
TRY
JPY
MXN
JPY
USD
JPY
1.00 0.92 0.84 0.92 0.84 0.87 0.79 0.68 0.84 0.59 0.24
EUR
JPY
1.00 0.83 0.96 0.82 0.92 0.87 0.75 0.80 0.75 0.14
GBP
JPY
1.00 0.83 0.70 0.83 0.56 0.68 0.93 0.49 0.52
AUD
JPY
1.00 0.87 0.95 0.83 0.83 0.83 0.73 0.19
CAD
JPY
1.00 0.84 0.77 0.78 0.70 0.64 0.17
NZD
JPY
1.00 0.83 0.81 0.86 0.79 0.21
CHF
JPY
1.00 0.59 0.56 0.77 -0.16
ZAR
JPY
1.00 0.72 0.65 0.33
CNH
JPY
1.00 0.51 0.61
TRY
JPY
1.00 -0.15
MXN
JPY
1.00

 

算出する時期や年月によって相関係数は変化しますが、上記のおおよその相関関係をチェックしてみてください。

 

順相関がある通貨ペアの使い方

FXの通貨ペアの相関関係を活用したトレードを紹介します。

 

たとえば、NZドル円と豪ドル円は価格の推移がかなり似ている通貨ペアです。

 

▼NZドル円の月足チャート▼

 

▼豪ドル円の月足チャート▼

 

NZドル円は買いでポジションを持ち、豪ドル円は空売りでポジションを持つことで損失リスクを分散できます。

 

順相関関係がある通貨ペアは同じような値動きをするため、もし予想した方向と逆に値が動いたとしてもどちらかは利益を出すことができます。

 

エントリーポイントの境界線さえ見極めておけば、上昇するか下落するかの判断が必要なくなるのがメリットです。

 

相関関係活用時の注意点や弱点

相関関係は比較的連動していますが、常に相関関係があるわけではないので注意しましょう。

 

相関性が強い通貨ペアだとしても、同じ方向に価格が推移しない場合もあります。

 

ファンダメンタル要因が強い相場時は、相関や逆相関の法則を無視してチャートが動く可能性もありえます。

 

しかしながら、全体的に値が大きく動く時やフラッシュクラッシュ相場時だからこそ相関関係が色濃く影響しすることもあります。

 

通貨ペアの相関関係はFX取引をする際のヒントにできるのは間違いありません。

 

FXのテクニカル分析に意味はない理由3つ

 

FXのテクニカル分析は意味がないと言われている理由は以下の3つです。

 

注意

  • ランダムウォーク理論の存在
  • 分析方法が多すぎる
  • 分析結果が後付け

 

テクニカル分析もファンダメンタルズ分析も無意味な理論であり、両者ともオカルトにすぎないという意見もあります。

 

テクニカル分析をマスターしても勝てるようになれないと感じている人も多いようです。

 

ランダムウォーク理論の存在

ランダムウォーク理論とは、株価の値動きは常にランダムであるため上昇も下降も同様の可能性で発生するという理論です。

 

1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ氏が発表したもので、「過去の値動きからは将来の値動きや方向性を予測することは不可能」という考え方です。

 

注意

投資の専門家と猿の運用成績はそこまで変わらないという理論

 

投資のプロでも相場の値動きを完璧に予測することは困難であるため、専門家でも素人でも勝てる時もあれば負ける時もあります。

 

過去のトレンドやデータによって将来の値動きを予測できるのであれば、テクニカルを勉強さえすれば誰でも億り人になれてしまいます。

 

分析方法が多すぎる

テクニカル分析に使われる指標は種類が多すぎるため、1つの指標で勝てなければ次々に指標を変えて聖杯を探しがちです。

 

なかなかFX取引で勝てないがゆえに、テクニカル分析の知識だけ蓄積してしまうトレーダーも多いです。

 

注意

ノウハウコレクターならぬテクニカルコレクターになりがち

 

FXで100%勝てる手法はこの世に存在しないため、聖杯探しをしている人を狙っている悪徳業者もいるので気をつけなくてはいけません。

 

分析結果が後付け

FXトレードで利益を出せている人がテクニカル分析を公開していると、テクニカル分析を理解すれば勝てるものだと勘違いしがちです。

 

しかしながら、FXトレードで利益を出した人がテクニカル分析で過去の値動きを説明しているだけです。

 

注意

歴史は勝者によって作られるもの

 

テクニカル分析ができるようになればFXトレードで勝てるわけではありません。

 

FX口座を開設するならどこがいい?

 

FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。

 

 FX口座の開設目的  おすすめの会社の特徴
 短期取引  スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社
 長期取引  スワップポイントが高い会社
 物色売買  通貨ペア数の多い会社
 情報収集  情報量が多い会社、チャートが見やすい会社
 自動売買  自動売買可能な会社
 少額取引  取引通貨単位が1,000通貨以下の会社

 

自身の目的を達成できそうな優位な会社を選ぶようにするようにしましょう。

 

FX投資のやり方やいくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。

 

FXトレードは生活に支障が出ない余剰資金で行いましょう。

 

資産1000万円まではFXがおすすめ

世間一般的に『FX=リスクが大きい』というイメージがありますが、少ない資金で効率良く増やすことができる特徴があります。

 

ルールや取引テクニックをマスターする必要がありますが、しっかりと勉強して地道にコツコツとやれば成果は出ると思います。

 

ポイント

資産を1,000万円にするまではFXを有効活用するべき

 

しかしながら、仕事や人間関係から逃れるために無茶なFXトレードを繰り返すことは得策ではありません。

 

いずれは会社を辞めたいという野望を抱きつつも、まずはレバレッジを低めに設定して多くのトレード経験を積むことを優先していきましょう。

 

FX通貨ペアごとの相関関係まとめ

同じように価格が推移する通貨ペアがあれば、反対方向に価格が推移する通貨ペアがあります。

 

FXで安定して稼ぐためには、それらの通貨ペアの特徴や値動きのクセを理解しなくてはいけません。

 

そのうえで相関関係が強い通貨ペアを知れば、FXトレードに活用することができるようになります。

 

相関関係があるからと言って常に同じ方向に価格が推移するとは限りませんが、目線を広げて長期で取り組めば継続して利益を出せるようになるかもしれません。

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