FX等の信用取引では『買う』だけではなく『売る』から始めても利益を出すことができます。
『買う』という行為はイメージができると思いますが、何も持っていない状態で『売る』という行為には慣れるまでは違和感があるかもしれません。
売りから入ることを専門用語で『空売り』または『ショート』と呼ばれています。
空売りショート取引のメリットは下落局面でも利益を出せる点で、価格が下がれば下がるほど利益が大きくなります。
Contents
FXは売りからでもトレードできる
FX取引は買い(ロング)または空売り(ショート)でポジションを保有することができます。
ロングポジションは、買った値段より為替レートが上がった場合は利益になります。
メモ
- ドル円が110円から115円に上がりそう
- 110円の時に買い注文
- 115円で利益決済
ショートポジションは、空売った値段より為替レートが下がった場合は利益になります。
メモ
- ドル円が110円から105円に下がりそう
- 110円の時に空売り注文
- 105円で利益決済
FXは『売る(ショート)』からでも注文することができるため、レートが下がった場合は含み益になり決済すれば利益が確定します。
右肩下がり相場で有利?
以下の画像はトルコリラ/円の月足チャートです。
トルコリラ/円は、買いでポジションを保有しているとプラススワップが発生し、空売りでポジションを保有しているとマイナススワップが発生します。
スワップを意識するのであれば買っておきたい通貨ペアなのですが、為替チャートを見て分かる通り完璧な右肩下がり。
スワップ的にはプラスとはいえ、値が下がりっぱなしの通貨ペアをロングで利益を出すのは難しいと言わざるをえません。
空売りでポジションを建てていればかなりの利益を出せていたことになります。
空売り注文を出したいタイミング
ショートで注文を出したいタイミングは、狙っている通貨ペアが日足チャートで下降トレンド中の時です。
リスクオフ関連の報道で為替レートが下がっていくことがあり、そういったタイミングで空売り注文をすれば利益を出せる可能性が高まります。
テクニカル分析を駆使して為替チャートのパターンを予想することで、エントリータイミングを見計らう手法もあります。
FXは買いだけではなく売りからでもポジションを建てることができるため、戦略の幅が広がるのではないでしょうか。
空売り注文の注意点
FXは値が上がっていきそうな時に『買う』だけでなく、値が下がっていきそうな時に『空売る』ことで利益を狙えますが、ショート注文には注意点もあります。
たとえば、なにかの通貨ペアを空売り注文してショートポジションを保有したとします。
価値が下落した場合はどれだけ下がっても0円までですが、価値が上昇し続けた場合は200円になるかもしれませんし300円になるかもしれません。
注意
買うよりも売るほうがリスクが高い
下値はどれだけ下がっても0円までで、上値は青天井となる可能性があるため、『買いは家まで、売りは命まで』と呼ばれています。
空売り注文のメリット
FXでは金利差によるスワップポイントを受け取ることができるため、多くの人が高金利通貨を買いでポジションを持っています。
なんらかの要因で一旦値が下がりだすと、 少ない損で逃げようとするため、売りが売りを呼び急速に値が下がっていくという特徴があります。
急激な下落の後は値が戻っていくことはよくありますが、相場が反騰しなければさらに値が下がります。
そのような下落相場時は空売りで利益を狙いやすくなります。
下降トレンドでも利益を出せる
レートが上がるか下がるかを予想して、下がると思ったらショート(空売り)で注文をしてポジションを保有します。
もし相場が下がればショートポジションが利益になり、相場が上がればショートポジションは損失になります。
ポイント
空売りショートポジションは下げ相場で利益が狙える
空売りは価格の下落が予想される局面において利益を狙える投資方法です。
下落相場は上昇相場より値幅が取りやすい
過去のチャートを見る限り、相場は落ちるスピードの方が速い特徴があります。
マーケットの参加者は基本的には買いでポジションを保有しています。
多くのユーザーは「ここまで下がったら損切する」というストップロス注文を設定しており、一旦相場が下がりだすと売りが売りを呼び相場がどんどん下がっていきます。
ポイント
値動きが活発になれば小さなロットでも利益を出せる
相場が下落していくと判断した場合は、空売り注文で大きな利益を狙えます。
リスクを抑えることができる
要人発言や経済指標の発表がある時は、相場の変動が非常に激しくなります。
発言や発表次第で自身が保有しているポジションが含み損になってしまうことも少なくありません。
ポイント
空売りを仕込むことで短期的な下落リスクを抑えられる
相場の下落が予測できる場合は、空売りポジションを保有すれば損失リスクを抑えられます。
相場の値動きは完璧に読めませんが、空売りでリスクを抑えることはできます。
空売り注文のデメリット
為替レートが上がるか下がるかを予想して、下がると思ったらショート(空売り)で注文をしてポジションを保有します。
もしレートが上がればショートポジションが損失になり、レートが下がればショートポジションは利益になります。
注意
予想に反して価格が上昇すると損失を被ってしまう
価格上昇リスクやスワップポイントの支払いによる損失発生など、空売りには注意すべきポイントがあります。
マイナススワップが発生する
ショートポジションを保有することによってマイナススワップが発生する通貨ペアがあります。
スワップとは、2国間の通貨を売買するFX取引において金利の高い通貨と金利の低い通貨の間で生じる金利差のこと。
【金利の高い国/金利の低い国】という通貨ペアをロングポジションで保有することによってプラススワップが発生するので、少しずつ利益が積み重なっていきます。
【金利の高い国/金利の低い国】という通貨ペアをショートポジションで保有するとマイナススワップが発生します。
ポジポジ病にかかってしまう
ポジポジ病とは、勝てそうな相場状況でもないのに多くのポジションを持ってしまうことです。
FXはエントリーするタイミングで利益を上げられる可能性が大きく変わるため、ポジションを保有するチャンスの見極めが非常に重要です。
注意
選択肢を広げ過ぎると状況が悪化する可能性も広がる
FXは買いからでも売りからでもポジションを保有できるため、過度に多くのポジションを持つ傾向があります。
ポジポジ病にかかってしまうと、エントリーしてポジションを持っていないと落ち着かないという理由で、安易な気持ちでエントリーをしてしまいがちです。
損切りができなくなる
空売りの使い方を間違えてしまうと、感情的になり根拠のない取引を繰り返す特徴があります。
含み損ポジションを損切りをしないままにしておくと、損失だけがどんどん広がっていき取り返しのつかない状態になってしまう可能性があります。
注意
中途半端に空売りを覚えると損切りができなくなる
FXの勝ち組トレーダーは、損切りすべき局面では躊躇なく損切りをして、次のトレードに備えるために資金を守ります。
100戦100勝のトレーダーなど存在しないため、損切りすべき局面では必ず損切りを実行しなくてはいけません。
FX口座を開設するならどこがいい?
FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。
FX口座の開設目的 | おすすめの会社の特徴 |
短期取引 | スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社 |
長期取引 | スワップポイントが高い会社 |
物色売買 | 通貨ペア数の多い会社 |
情報収集 | 情報量が多い会社、チャートが見やすい会社 |
自動売買 | 自動売買可能な会社 |
少額取引 | 取引通貨単位が1,000通貨以下の会社 |
自身の目的を達成できそうな優位性の高い会社を選ぶようにするようにしましょう。
FX投資のやり方や元手いくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXは生活に支障が出ないお金や最悪無くなってもよいと割り切れるお金で行いましょう。
いくらからFX取引をスタートするべき?
どのような目的でFX取引を開始するのかにもよるので、いくらからFX取引をスタートするべきかは人によって違ってきます。
ポイント
- 少額で試してみたい初心者の方:10万円~
- 副業程度の利益を出したい方:30万円~
- 本格的に稼ぎたい方:100万円~
FX初心者は30万円くらいからスタートして1,000通貨単位で取引をされている方が多いようです。
元手資金が少ない状態で効率よく利益を出すことは困難なので、少しずつ運用資金を増やしていきましょう。
空売り(ショートのメリット・デメリットまとめ
FXなどの信用取引では、『買う』だけではなく『売る』ことで利益を出すことができます。
ロングポジションを持っていなくてもショートで注文を出すことが可能で、ポジションを持っていない状態で『売る』ことが可能。
為替レートが上がるか下がるかを予想して、下がると思ったら『ショート(空売り)』で注文をしてポジションを保有し、値が下がっていけば利益になります。
相場が下落している時でも利益を狙うことができるので、効果的に売買注文を出せばどんな状態も利益を出せるようになるかもしれません。
空売りの最大のメリットは下げ相場でも利益が狙える点。相場の上昇局面を待つことなく利益を積み上げることができます。