FXトレードをする際、為替市場の急激な変化によって大きな損失が出る場合があります。
追証(おいしょう)とは追加証拠金の略称のことで、含み損が発生して各FX会社が定める最低証拠金維持率を下回った場合に、追加で証拠金を入金しなければいけない状態です。
ゼロカットはFX会社が損失を全て負担する仕組みになっており、なぜ海外FX業者はトレーダー側にとってメリットしかないようなシステムを導入しているのか気になる人もいるのではないでしょうか。
Contents
FXのゼロカットとは
ほとんどの海外FXでは『ゼロカット』という方式を取り入れています。
ゼロカットとは、強制ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになってしまった場合に、マイナス分をFX会社が負担するシステムです。
強制ロスカットとは、トレーダーのFX口座の証拠金維持率が一定割合を下回ると、強制的に全ポジションが決済される機能です。
仮にFX口座以上の損失が出てしまった場合でも、トレーダーはマイナス分(口座残高0円以下分)を負担しなくても良いということになります。
ゼロカットの流れやタイミング
ゼロカットシステムは、トレーダーの口座残高以上の損失が出た場合に適用されます。
ポイント
- 口座残高以上の損失を出す
- 口座残高に損失分が反映される
- 口座残高がマイナスになるとゼロカットが適用される
例えば、口座残高が10万円しかない状態で20万円分の損失が発生した場合は、10万円分がゼロカットされて口座残高が0円になります。
マージンコールとロスカットの違い
マージンコールや強制ロスカットはFXトレーダーの資産を守るための保護機能です。
サッカーのルールで言うところの『強制ロスカットはレッドカード』で『マージンコールはイエローカード』的なものだと思っておきましょう。
ポイント
- 強制ロスカット:含み損が一定以上になると未決済ポジションが強制決済される
- マージンコール:含み損が一定以上になると追加資金を入金しないと強制決済される
マージンコールは口座の証拠金維持率の回復を要求するお知らせなので、強制的なロスカットによって口座残高がゼロ円以下になることはありません。
FXゼロカットのメリット3つ
海外FX業者が導入しているゼロカットシステムのメリットは以下の2つです。
ポイント
- 借金を負うリスクがない
- 大きな利益が狙える
- 手法を試せる
海外FX業者にしかないゼロカットシステムには様々なメリットがあり、海外FXのほうが儲かるチャンスは多いです。
損失は限定される仕組みになっているという点では、ゼロカットを採用している海外FX業者のほうが有利と言えます。
借金を負うリスクがない
ゼロカットシステムがあれば、損失が出たとしても追証請求を受けることがありません。
口座残高以上の損失を負ったとしても、海外FX会社がマイナス分を負担するので、借金を負わなくてはいけなくなる金額を請求されることはありません。
ポイント
口座残高0円以下の金額を請求されない
ゼロカットはFX取引での借金リスクがないため、トレーダーにとって非常に心強いシステムなのではないでしょうか。
大きな利益が狙える
海外FXはゼロカットシステムによって損失が限定されているため、損失を恐れずに強気のトレードができるようになります。
海外FX業者はレバレッジを100~888倍までかけることができ、国内FX業者とは比較にならないほど少ない元手でポジションを保有することができます。
たとえば口座に10万円しか入っていない場合は、どれだけマイナスを出しても10万円の損失しか負わないというのは大きなメリットになります。
自分だけのFXの聖杯を試せる
FXにおける本当の聖杯は、自分自身で作り上げた勝ち続けられる手法やルールが唯一の聖杯だと思います。
海外FXは追証がないため、さまざまな手法を試せるメリットがあります。
ポイント
- トレード回数や損失金額の上限を決める
- 少額でトレードをする
- 過去検証をする
FXには100%勝ち続けられる手法というものはありませんが、勝率を高められる自分にとって優位性が高い手法は見つけられるかもしれません。
FXゼロカットのデメリット3つ
海外FX業者が導入しているゼロカットシステムのデメリットは以下の2つです。
注意
- 口座凍結や出金トラブルのリスクがある
- 税金面で不利になる
- 約束を守らない業者もある
システム面だけをみるとメリットしかないように感じるかもしれませんが、海外FX業者の利用にはデメリットも存在します。
むしろ、これから紹介するデメリットがあるから海外FX業者を利用していない人が多いです。
口座凍結や出金拒否のリスクがある
海外FX業者で禁止されている取引をしてしまうと、口座凍結や出金拒否の恐れがあるので注意が必要です。
海外FX業者ごとに規約違反の内容は違いますが、ゼロカットシステムを悪用すると口座凍結または出金拒否の可能性が高まります。
注意
- 複数の海外FX業者で両建て
- 重要指標発表時のハイレバレッジ取引
- 短時間に大量スキャルピング
海外FX業者には魅力的は点も多いですが、日本のFX会社以上に危険が潜んでいることを忘れてはいけません。
税金面で不利になる
海外FX業者での利益は『雑所得』扱いになり、利益が増えれば増えるほどかかってくる税金は大きくなります。
年間収支 | 税率 | 税率の内訳 |
---|---|---|
195万円以下 | 15% | 所得税5%+住民税10% |
195万円超~330万円以下 | 20% | 所得税10%+住民税10% |
330万円超~695万円以下 | 30% | 所得税20%+住民税10% |
695万円超~900万円以下 | 33% | 所得税23%+住民税10% |
900万円超~1,800万円以下 | 43% | 所得税33%+住民税10% |
1,800万円超~4,000万円以下 | 50% | 所得税40%+住民税10% |
4,000万円超 | 55% | 所得税45%+住民税10% |
海外FX業者を利用して損失を出してしまった場合は、損失を来年以降に繰り越せないというデメリットもあります。
損失繰越とは3年間赤字を繰り越すことができる制度で、国内FX業者利用ではこの制度が利用可能です。
国内FX業者を利用する場合は3年間の赤字を繰越可能です。(損失繰越の手続きは必要)
ポイント
- 1年目:100万円の赤字なので課税無し
- 2年目:100万円の赤字なので課税無し
- 3年目:300万円の黒字だが100万円分の課税でOK
常に勝ち続けることが難しいFX取引において、税金面では国内FX業者が断然有利と言えます。
約束を守らない業者もある
ゼロカットシステムはFXトレーダーの損失をすべて業者側が肩代わりする制度です。
にもかかわらず、ゼロカットシステムがあることを公式HPで明言しておきながら、ゼロカットシステムを執行しなかった海外FX業者もあります。
ゼロカットの約束を守らなかったり、そもそもゼロカット制度がなかったことにする業者も存在します。
ゼロカットシステムの負担で経営破綻する業者もあり、業者が破綻した場合は顧客資産が返ってこない可能性もあるようです。
なぜ国内FX業者はゼロカットを導入しないのか
なぜ国内FX業者はゼロカットを導入しないのかというと、日本の金融庁が日本国内で海外FX口座を利用しないよう注意しているからです。
引用元:金融庁
「顧客の損失の全部または一部を補填する行為」が金融商品取引法によって禁止事項になっています。
金融庁に無登録の状態で運営している海外FX業者は利用しないでほしいと、日本の金融庁サイトで勧告されています。
海外FX業者を利用すること自体が違法だとは厳密に記述されていませんが、無難に国内FX業者を利用しておきましょう。
国内FX口座を開設するならどこがいい?
国内FX口座を開設する時は、以下の条件のように自身にとって最適なFX会社を選んで組み合わせることが大切になります。
FX口座の開設目的 | おすすめの会社の特徴 |
短期取引 | スプレッドの狭い会社、約定力の高い会社 |
長期取引 | スワップポイントが高い会社 |
物色売買 | 通貨ペア数の多い会社 |
情報収集 | 情報量が多い会社、チャートが見やすい会社 |
自動売買 | 自動売買可能な会社 |
少額取引 | 取引通貨単位が1,000通貨以下の会社 |
自身の目的を達成できそうな優位性の高い会社を選ぶようにするようにしましょう。
FX投資のやり方や元手いくらでどれくらい稼げるかは、別ページで解説・実践しているので参考にしてみてください。
FXは生活に支障が出ないお金や最悪無くなってもよいと割り切れるお金で行いましょう。
FX口座開設の流れ
FX口座を開設する方法は以下の流れです。
ポイント
- 口座開設に必要なものを用意する
- 口座開設申し込みをする
- 本人確認書類を提出する
- 審査完了まで待つ
- 入金して取引を開始する
口座開設審査の段階で申込内容に誤りが見つかると、審査までに時間がかかったり審査に落ちる可能性があるので注意しましょう。
FX口座の開設申し込みを週明けの月曜日にすれば、ログインID・パスワードが書かれた書類が届く日数が早まります。
ゼロカット導入の海外FXはおすすめできない
少ない元手資金で大きな利益を出すこと求めるのであれば、国内FX業者よりも海外FX業者を利用したほうが断然有利です。
海外FX業者が導入しているゼロカットシステムは、急激な為替相場により強制ロスカットが追いつかずマイナス額が1,000万円になってもFX業者が負担してくれます。
しかしながら、海外FX業者を利用してトレードをするのはオススメできません。
オススメできない理由は、日本の金融庁が日本国内で海外FX口座を利用しないよう注意しているからです。
海外FX業者を利用することは違法ではありませんが、無難に国内FX業者を利用しておきましょう。